「パラサイト半地下の家族」 ポン・ジュノ監督まとめ

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「パラサイト半地下の家族」でオスカー受賞 ポン・ジュノ監督まとめ

トップ画像引用:thewrap.com

話題の韓国映画 「パラサイト半地下の家族」のポン・ジュノ監督についてまとめます。

「パラサイト半地下の家族」は韓国のブラック・コメディ映画。

「パラサイト半地下の家族」はカンヌ国際映画祭で韓国映画初となるパルム・ドールを受賞ました。

日本では2020年1月10日一般公開となっています。

ポン・ジュノ監督は韓国を代表する映画監督です。

多作ではありませんが、社会の問題をあぶりだすメッセージとエンターテイメントが両立した、韓国映画のマスターピースとなる作品を作り出してきました。

ポン・ジュノ監督の作品の特徴はその完成度の高さです。

ストーリー、
伏線とその回収、
音楽、
カメラワーク

映画のどの側面をとっても完成度が高いと感じます。

その完成度は、初の長編デビュー作となった「ほえる犬は噛まない」ですでにみてとれます

今回は、 ポン・ジュノ監督の「パラサイト半地下の家族」についてのコメント、プロフィール、過去の作品をまとめます

目次

「パラサイト半地下の家族」

「パラサイト半地下の家族」は格差社会を描くブラック・コメディ映画です。

カンヌ国際映画祭では韓国映画初となるパルム・ドールの受賞を受賞しました。

主演は名優ソン・ガンホです。

ポン・ジュノ監督のコメント 「パラサイト 半地下の家族」について

インタビュー

英語、韓国語が分かる方はポン・ジュノ監督のインタビューがあります。

子供の影響で「トトロ」を100回以上みたとのこと。

何度も見る作品には、

アルフレッド・ヒッチコック「サイコ」
韓国映画の「ハウスメイド」をあげています。

ポン・ジュノ監督のコメント

「パラサイト 半地下の家族」についてのポン・ジュノ監督のコメントをまとめます。

映画を撮影して

「私は、全ての映画監督が望むように、観客にはハラハラしながら物語の展開を体験してほしいのです。大小に関わらず、全ての瞬間において熱く興奮しながら、映画に驚き、映画に引き込まれてほしいのです」

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「カンヌはもう過去のこと。今は国内の観客の反応がとても気になる。こっそり変装して一般観客に混じって映画を見るつもりだ」

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「パルムドール賞は私が何か悪いことをして受けた賞ではないじゃないですか。ハハハ。ただもらったものですから。実際、映画は3月末に完成したし、カンヌ受賞の前も後も変わりはありません。皆さんが受賞の事実を意識せず映画を見てくださればと思うが、そうもいかない状況になりましたね」

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「純制作費だけで130億ウォン(約12億円)かかりました。ベルイマンや黒澤明のような巨匠たちも一生制作費の回収を心配しました。
誰かに損害を与えず現役監督として映画を続けられる基盤を作ることは、みんなの『基本目標』です。
これまで芸術性と商業性を分けて天秤にかけたことはなく、衝動的に導かれるままに映画を作ったが、運が良かったんです。
ソン・ガンホのように訴える力と説得力のある俳優たちが、私が伝えたいストーリーと観客の間に“鵲の橋”をちゃんと渡してくれたおかげです」

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映画のテーマについて

「違った環境や状況に身を置く人々が、同じ空間に一緒に住むことは容易ではありません。この悲しい世界では、共存や共生に基づく人間関係が成り立たず、あるグループが他のグループと寄生的な関係に追いやられることが増えています。

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そのような世界の真っ只中で、生存をかけた争いから抜け出せずに奮闘する家族を誰が非難したり、“寄生虫”と呼ぶことができるでしょう?
彼らは初めから“寄生虫”であったわけではありません。彼らは私たちの隣人で、友人で、そして同僚だったのにも関わらず、絶望の淵に押しやられてしまっただけです」

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「今日の資本主義社会には、目に見えない階級やカーストがあります。私たちはそれを隠し、過去の遺物として表面的には馬鹿にしていますが、現実には越えられない階級の一線が存在します。本作は、ますます二極化の進む今日の社会の中で、2つの階級がぶつかり合う時に生じる、避けられない亀裂を描いているのです」

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「現実世界の中で、裕福な人々と貧しい人たちが、互いに“臭い”を嗅ぎ合うという場面はあまりないはず。なぜなら、互いがある程度の“ライン”を守り、それを越えないようにしているからです。飛行機の搭乗時には、かたやファーストクラス、一方はエコノミー。それぞれが訪れるレストランやホテルも異なりますよね。つまり動線が違うんですよ。だから“臭い”を嗅ぎ合う瞬間がない」

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「この映画では、互いの“臭い”を近距離で嗅ぐことができる状態になっています。パク社長のセリフに“度を越す”というものがあります。彼には『ここから先は入ってくれるな』という“ライン”がある。パク社長にとって、貧しい世界は『見たくないもの』『自分には関係のないもの』なんです。本作では(“ライン”を越えて)“臭い”が入ってきたことによって、悲劇がもたらされるんです」

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「演劇の素材を考えていたら、空間的に単純な構造を考えるようになったんです。『パラサイト』は話の90%がギテクの半地下の家とパク社長の高級住宅で成り立っている。最初から貧しい家族と裕福な家族に代表される話を考えていました。最終車両と先頭車両で対比されるスノーピアサーの延長線にありながらも、もう少し私たちの肌感覚に近い、小さなディテールの話をしたかったというか」

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「半地下のセットでトイレだけ階段の上にあるんですが、実際、半地下の家には“浄化槽の逆流”を防ぐためにそのような形のトイレが作られます。ネチズンが『糞の祭壇』(笑)と自嘲しながら掲載した画像がたくさんあります。後から洪水が発生して半地下が水に浸かるとき、降り注ぐ雨と水も垂直的な不平等を示す重要なイメージの一つです」

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「匂いは人間の最も内密で私的な部分。夫婦の間でも匂いの話はしにくいでしょう。人間が守るべき善と礼儀、無礼さをよく表わしています。映画の中のギテク家族の職業である車の運転手などは、金持ちと貧しい者が私的な距離を縮めて向かい合い、互いの匂いを感じられる唯一の職群です。最近報道されているパワハラ事件がほとんど車の中で起きることからも分かります」

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タイトルについて

「ネガティブな語感のタイトルですよね(笑)。マーケティングの担当部署も不安視していて『このタイトルはやめよう』と言っていましたよ。その際に話したのは『この映画では、お金持ちも“寄生虫”なんだ』ということ。つまり、お金持ちというのは、貧しい人々に“寄生”して労働力を吸い上げている。(自分たちでは)運転もできないし、ハウスキーピングもできないわけです。お金持ちは、貧しい人たちの労働に“寄生”している――そういう意味合いもあると伝えたら、(マーケティングの担当も)安心していました。そして、私は考えたんです。(本当は)“寄生”ではなく“共生”になってくれればいいと」

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「韓国やアメリカ。フランスで公開した時、タイトルは『パラサイト』だけだったんです。日本では副題として“半地下の家族”がついていますが、これが良い。“半地下”は非常に大きな意味を持っていますからね」

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撮影について

「全体的に上昇と下降、そして垂直の空間を意識しています。冒頭のシーンでも、カメラがクレーンダウンすると、半地下にいる息子が映るという流れになっているんです」

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「この映画では、パク社長の家、キムの家を含む、90%がセットでの撮影でした。貧しい一家の家が存在する街並みもセットです。パク社長の家は、(シナリオの段階から)ある程度キャラクターの動線も決めていたので、美術監督に伝えておきました。『ここからここまで動くときに、こちら側からは見えないでほしい』『玄関から入ってきた時に、ある部分は見えないでいてほしい』と。そういう要求を考慮しつつ、美しく洗練された家を作らなければならなかったので、美術監督はかなり苦労したはずです」

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ポン・ジュノ監督のプロフィール

 ポン・ジュノ監督

画像引用:Wikipedia

プロフィール

  • 名前:ポン・ジュノ(Bong Joon-ho)
  • 生年月日: 1969年9月14日
  • 年齢:50歳(2020年1月現在)
  • 出身:韓国大邱市
  • 活動期間:1993年 –

ポン・ジュノ監督は、1969年の生まれ。
延世大学社会学科を卒業後、韓国映画アカデミーで映画制作を学びます。

「ほえる犬は噛まない」(2000年)で長編監督デビュー。

「グムエル-漢江の怪物-」(2006年)では、韓国の観客動員記録を更新します。

ハリウッドスターも配した「スノーピアサー」(2013年)では海外進出をはたしています。

朴政権のブラックリストに

朴槿恵政権(2013年2月25日~2017年3月10日)が大々的なブラックリスト工作を行っていたことが明らかになりました。

ポン・ジュノ監督は、政権に批判的な文化人として「文化芸術界のブラックリスト」に入れられていました。

「パラサイト 半地下の家族」の主演、ソン・ガンホもブラックリストに入れられています。

作品まとめ

ほえる犬は噛まない(2000年)

ポン・ジュノ監督の長編監督デビュー作

団地内の飼い犬が次々と失踪する事件が描いたコメディーです。

長編監督デビューということですが、完成度が高くて、ポン・ジュノ監督の才能が発揮されている作品です。

今見ても楽しめる作品です。

殺人の追憶(2003年)

1980年代後半のに10人の犠牲者を出した未解決事件、
「華城連続殺人事件」を扱ったサスペンス作品。

韓国で大ヒット、560万人を超える動員を記録します。

2003年度大鐘賞で最優秀作品賞を受賞します。

ラジオで「憂鬱な手紙」が流れたときだけ殺人事件が起きる。

そんな興味を引かせるオープニングから事件が展開していきます。

田舎の無能な刑事を演じたソン・ガンホの演技も素晴らしい

事件現場に陰毛が落ちていなことから、犯人は無毛症だと主張して操作する田舎刑事。
そうなユーモアあふれる役を演じています。

クライマックスでハイスピードになるカメラワークが印象的に感じました。

映画もとになった事件は長年未解決でしたが、、2019年9月、刑務所に服役中の男が犯人として特定されます。

この犯人特定についての ポン・ジュノ監督コメントです。

『殺人の追憶』を準備している時から、犯人の顔を見てみたいと思っていたんですが、きっと“永遠に見ることはできない”だろうと思っていたんです。まさか、こんな日がくるとは思ってもいませんでした。犯人として特定された人物は、二十数年間、刑務所に入っていました。ところが、囚人たちのDNAをデータベース化するということになり、その作業の際に犯行が明らかになったんです。同じ刑務所に収監されていた人の話を聞いたところ、犯人は『殺人の追憶』を鑑賞していたようなんです。『(刑務所内の)テレビで放送されているのを見ていた』と言っていましたね」

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グエムル-漢江の怪物-(2006)

突然正体不明の巨大怪物が人々を襲うパニック・エンタテインメントです。

韓国で観客動員数1,300万人を突破し、当時の韓国観客動員記録を更新します。

この映画は2000年に在韓米軍が漢江に大量のホルムアルデヒドを流出させた事件に対する社会風刺にもなっています。

ポン・ジュノ監督の映画には必ずこういった社会的視点が入っているように思います。

それでいて、観客を楽しませる最高のエンターテイメントに仕上がっているからすごいと思います。

クエンティン・タランティーノ監督も「ポン・ジュノ監督を知ったのは『グエムル-漢江の怪物-』だ。
いい監督で、いい映画を作るという話はたくさん聞いたが、いざ『グエムル-漢江の怪物-』を見て驚きを禁じ得なかった」と絶賛しています。

母なる証明(2009)

知的障害のある息子その母親についての物語。

韓流ブームでは韓流四天王の一人といわれたウォンビンが知的障害の息子役を演じています。

個人的には、 ポン・ジュノ監督作品で一番好きな映画です。

最後の母親が踊るシーンには震えました。

母親としての息子への母性本能が狂気となるさまが描かれています。

スノーピアサー(2013)

韓国・アメリカ・フランスのSFアクション・スリラー映画です。

この映画の原作は ポン・ジュノ監督がたまたまコミックショップでみつけたようです。

2004年後半、『グエムル-漢江の怪物-』のプリプロダクションをしている頃にポン・ジュノはソウルのコミックショップに立ち寄り、グラフィックノベル・シリーズ『Le
Transperceneige』を見つけ、そのまま全シリーズを読破した。
彼は人類が生き残るために列車に乗り込み、そして各車両が社会階層で分けられているというアイデアに魅了された。
ポンは映画監督のパク・チャヌクにも原作を紹介し、彼も同様に気に入った。2005年、パクの製作会社であるモホフィルムはポンのためにシリーズの映画化権を獲得した

Wikipedia

オクジャ/okja(2017)

Netflixオリジナル映画。

韓国の山間の家で暮らす少女と心優しい巨大生物が現代社会に対面していく物語です。

ポン・ジュノ監督が選ぶ映画

ポン・ジュノ監督が影響を受けた映画10選をあげています。

ポン・ジュノ監督は映画5000本以上をコレクションしているそうです。

映画に関してどういったバックグランドをもっているのでしょうか。

  1. 悲情城市(侯孝賢,1989)
  2. CURE( 黒沢清,1998)
  3. ファーゴ(コーエン兄弟,1996)
  4. 下女(キム・ギヨン,1960)
  5. サイコ(アルフレッド・ヒッチコック,1960)
  6. レイジング・ブル(マーティン・スコセッシ,1980)
  7. 黒い罠(オーソン・ウェルズ,1958)
  8. 復讐するは我にあり(今村昌平,1979)
  9. 恐怖の報酬(アンリ=ジョルジュ・クルーゾー,1953)
  10. ゾディアック( デヴィッド・フィンチャー,2007)

悲劇、サスペンスものが多いですね。

「悲情城市」と「サイコ」を映画の見方を変えた映画としています。

さいごに

「パラサイト 半地下の家族」どんな映画か楽しみです。

ポン・ジュノ監督は次回作の予定もあるということ。

過去の作品をときどき見返しながら、次の作品も楽しみに待ちたいと思います。

画像引用:sp.kdaisuki.jp